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解析事例−s19EXAMPLE-s19

円筒ころの複数円弧クラウニング最適形状計算

事例s18では、φ12×12円筒ころの対数クラウニング時の最適クラウニング形状を調査しましたが、ここでは、複数円弧クラウニングを使用して寿命を最大にする最適形状を調査します。
接触計算手法には「EPCスライス法」を使用します。
事例s17, s18同様、内輪は転走面直径(溝径)がφ12、転動体直径φ20、転動体個数1個の軸受での内輪寿命を使用します。ころ分割数は、200分割、ころ直線部長さは、対数クラウニング同様ころ有効長さの半分(本例では5.5mm)とします。

<解析結果>

図1は、円弧によるカットクラウニングのクラウニング半径を変えたときの接触面圧と寿命計算結果です。(複数円弧クラウニングは未設定です)
 
          (a)接触面圧                  (b)疲労寿命
         図1 クラウニング半径を変えたときの接触面圧(カットクラウニング)

(a)では、クラウニング半径が大きくなるにつれ、接触領域が広がり中央部接触面圧は低下していますが、逆にエッジロードは増大しています。寿命計算結果(b図)を見ると、R800で最大となっています。

長寿命を得るためには、R1000のように中央部面圧をできるだけフラットにし、かつエッジロードを低減させることが必要になります。このため、以下では、R1000をベースに、図2のようにエッジ部両側(有効ころ長さ端部から1mmの領域;x=-5.5〜-4.5mm)に複数円弧クラウニングを設定し、エッジロードを低減させることでさらなる長寿命化を図ってみます。

     
         図2 複数円弧クラウニング設定領域


図3は、複数円弧クラウニングを設定したときの寿命計算結果です。
      

            図3 複数円弧クラウニング設置時の寿命計算結果

図3より、複数円弧クラウニングの半径はR50で最大寿命を与えることがわかります。この値は事例s18で検討した対数クラウニングでの最大寿命と遜色ない値となっており、複数円弧クラウニングの設定領域を調整することなどでさらなる長寿命化も期待できる可能性もあります。

ちなみに、このときの接触面圧は図4に、図5に従来スライス+MOYER法のR50時の接触面圧比較を掲載します。

    図4 複数円弧クラウニングの接触面圧        図5 従来スライス法との接触面圧比較

図4では、複数円弧クラウニングとオリジナルクラウニングとの継目部(x=-4.5mm)で面圧の滑らかさが失われていますが、図5の従来スライス+MOYER法では比較的滑らかに計算されています(EPC法の方が、より実際に近いと考えれらます)。


上記のように、複数円弧クラウニングでも対数円弧クラウニングとほぼ同等の寿命値を得ることができました。ただ、複数円弧クラウニングでは、接触面圧が若干ギクシャクしており、あまり体裁は良くないように思われます。


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