新寿命規格(ISO281:2007)による円筒ころ軸受の修正定格寿命計算
事例s17ではφ12×12円筒ころの転がり疲労耐久試験結果と、EPC法によるROBPACS寿命計算結果を比較しましたが、ここではこの結果に対して、新寿命規格であるISO281:2007またはJIS
B 1518:2013に対応した修正定格寿命計算を行います。
ころ分割数は、荷重計算、疲労限荷重計算のいずれの場合も200分割とし、EPC法を用いて計算します。

図1 φ12×12円筒ころ(耐久試験ではφ20円筒ころと接触)

<解析結果>
表1に示すように、クラウニング形状はV1〜V5に代表される5種類であるため、接触面圧が1500MPaとなる疲労限荷重も5種類となります。図2は、V1〜V5の疲労限荷重、図3は疲労限荷重時の接触面圧分布を表したものです。

図4は、上記疲労限荷重計算結果を用いて修正定格寿命Lnmを計算したもので、基本定格寿命L10も併せてプロットしています。

図4 修正定格寿命計算結果
図5は図4の修正定格寿命計算に使用した寿命修正係数aISOの値です。今回の事例ではaISOの値は、いずれも1.0より小さい値となっています。この理由は、負荷荷重が大きく、疲労限荷重を超えているためと考えられます。

図5 修正寿命係数
修正定格寿命Lnmの計算は、従来の基本定格寿命L10に対して、図5のaISO値を乗じて算出しているため、aISOの傾向からV1〜V5における寿命最大値はV3,V4寄りに移動していると考えられます。実験ではV1〜V5における最適なクラウニングRはV2〜V3の間にあると記載されていますが、修正定格寿命を用いて最適クラウニングRを求めると、実験結果から外れる方向に最適クラウニングRが移動していることになります。
この理由は、実験での最適クラウニングRは負荷荷重13.72kNの時のものですが、上述のように、単一接触時の疲労限荷重Quを大きくするクラウニング形状がaISO値を大きくするため、このときのクラウニング形状が修正定格寿命を大きくすると考えられ、これが実験結果の最適クラウニングRからずれてくる原因であると考えられます。このため、単純に修正定格寿命値をもって最適クラウニングRを決定すると従来の最適クラウニングとずれてしまい、正しい結果が得られているのかどうか、十分な検証が必要であると考えます。
以上の結果より、修正定格寿命を使用するには、原理を理解し十分に検討した上で、使用することが必要であるといえます。
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