事例s6の円筒ころ軸受のEPC法によるころ接触面圧分布計算
事例s6は「円筒ころ軸受とスラストニードル軸受」の系に、ラジアル荷重5000Nとアキシャル荷重100Nが負荷された場合の計算です(図1)。軸径はΦ60、円筒ころ軸受間のスパンは1000mm。本例では、スラストニードルのアキシャルスキマを0として計算します。円筒ころ軸受のラジアルスキマも0です。
本事例では、全ての軸受に対して、EPCスライス法を用いて計算し、従来スライス法との接触面圧比較を行います。(従来スライス法とEPCスライス法の設定は、軸受毎に選択可能です)。
図1 円筒ころ軸受+スラストニードル軸受の系
<解析結果>
図2、図3に、左側の円筒ころ軸受とスラストニードル軸受の最大荷重負荷ころについて、接触面圧計算結果を掲載します。

図2 左側スラストニードル軸受の内輪側接触面圧計算結果比較

図3 左側円筒ころ軸受の内輪側接触面圧計算結果比較
従来スライス法には、ころチャンファR=1.0mmとして計算したMOYER法によるエッジロード値も記載しています。(エッジロード値は従来スライス法荷重の外側に表示しています。また、エッジロード値は荷重釣合後に計算されるため、ころ荷重の釣合とは無関係に算出されます)
EPCスライス法では、接触面での収束計算が追加されるのと、非線形性が増加するため、どうしても従来スライス法に比べて計算時間が増大しますが、従来スライス法では表現できない、きれいな面圧分布が得られることがわかります。
なお、EPCスライス法では、従来スライス法と比較して、接触部の剛性が低下します。このため、軸たわみ・軸受部傾斜角が増加し、軸受部の支持モーメントも増加します。これは、従来スライス法では、ころと転走面の干渉量で軸受荷重が決定されるのに対して、EPC法では干渉により発生した荷重が周辺の表面を変形させることで、干渉が生じにくくなるため、接触領域が減少し、接触面剛性が低下するというメカニズムであると考えられます。(図3ではEPCスライス法のころ傾斜角が従来スライス法に比べて大きくなって、接触領域が減少しています)。換言しますと、従来スライス法の剛性が、高すぎるのであり、EPCスライス法の方が、より現象を正しく捉えていると考えられます。
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