「円筒ころ軸受+スラストニードル」の系の挙動
円筒ころ軸受とスラストニードル軸受(以下「スラストニードル」と略します)でラジアル荷重5000Nとアキシャル荷重100Nを支持している系(図1)を考えます。軸径はΦ60、円筒ころ軸受間のスパンは1000mmとし、スラストニードルのアキシャルスキマを変えて、系の応答を調査します。なお、円筒ころ軸受のラジアルスキマは0とします。
図1 円筒ころ軸受+スラストニードル軸受の系
<解析結果>
図2にスラストニードルの支持するアキシャル荷重について、アキシャルスキマをパラメーターとして掲載します。
図2 軸受の各列が支持するアキシャル荷重
アキシャルスキマが0のとき、外力のアキシャル荷重は100Nと小さいにもかかわらず、スラストニードル軸受には過大なアキシャル荷重が作用していることがわかります。これは、図3に示すように、軸のたわみによりスラストニードル軸受が傾斜して、軸より下の領域で転動体に負荷が加わるために発生するアキシャル荷重です。これを防止するためにアキシャルスキマを設けて、荷重を逃がしてやる必要があります。スラストニードルのアキシャルスキマを0.1mm設けることでかなり改善されますが、左側のスラストニードル軸受にまだ、少しアキシャル荷重が作用しており、さらにアキシャルスキマを(0.15mmにまで)大きくする必要があることがわかります。
図3 軸の変形モード
このときの軸受寿命を図4に示します。アキシャルスキマが0.15mmのとき、全体の寿命は最大となることがわかります。(図示していませんが、アキシャルスキマ0.2mmと0.15mmは同じ寿命値が得られています)
図5軸受の各列が支持するモーメント
なお、軸のたわみを考慮しない場合の計算では、アキシャルスキマが0でも、左側のスラストニードルに荷重は発生しません(図6参照)。この理由は、右側のスラストニードルがアキシャル荷重によって弾性変形し、軸が右側へ移動することで、左側のスラストニードルにアキシャルスキマが生じ、かつラジアル荷重の対称性により、軸がほとんど傾斜しないため、左側のスラストニードルにはすきまがついたままになり、無負荷となるのです。
図6 軸剛体時の各軸受の荷重支持状況
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