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解析事例−s13EXAMPLE-s13

外輪が中空軸に嵌合され、内輪が固定される場合の計算

   

          図1 内輪が固定された2個の深溝玉軸受と軸の系

外輪が中空軸に嵌合され、内輪が固定された場合の計算(図1)について検討します。
軸は、外径70mm、内径50mm、外部荷重は、接触角30°のアンギュラ玉軸受中央部に100000Nのラジアル荷重が中央部に負荷されるとします。
ソフトウエアによっては、内輪固定という条件が解析ができないものもあります。その場合、軸も軸受も図1とは同じものを使用し、図2のように軸の外径部に軸受を配置するという、図2のような系で代用して解くことがあります。ここではこの両者の違いについて検討します。

   

           図2 図1の代用として用いられる外輪固定の系


なお、ここではアンギュラ玉軸受の転走面上の荷重点を考慮した計算を行います。通常の玉軸受計算(*)では、内輪溝中心上(ほぼPCD位置)で軸受荷重・モーメントを算出しますが、ROBPACSでは初期接触角状態での内外輪とボールの接触点位置(転走面上)で、軸受荷重・モーメントを算出し、かつ内輪荷重、外輪荷重に分離して計算することができます。今回この機能を用いて解きます。(PCD位置での計算も可能です)

(*) Jones, A. B., “A General Theory for Elastically Constrained Ball and Radial Roller Bearings Under Arbitrary Load and Speed Conditions”, Transactions of the ASME, Journal of Basic Engineering, Vol.82, No.1 (1960), pp. 309-320.

<解析結果>

図3に、上記2つのケースについての軸たわみを示します。

   
             図4 軸受支持方式の違いによるたわみ量の違い



中央部のたわみ量で、外輪固定の方がわずかに(0.65μm)大きくなっています。わずかではありますが、差が生じていることがわかります。

両者の差の原因を調査するため、表1に軸受部から軸に作用する荷重とモーメントを記します。  表1 軸受部から軸に作用する荷重とモーメント

ラジアル荷重
(N)
アキシャル荷重
(N)
モーメント
(Nmm)
内輪固定 左BRG -50000 21728 270622
右BRG -50000 -21728 -270622
外輪固定 左BRG -50000 -21648 346682
右BRG -50000 21648 -346682


表1では、内輪固定と外輪固定の差として一番大きな違いは、アキシャル荷重の向きが逆になっていることです。即ち、内輪固定では軸が圧縮されるのに対して、外輪固定では軸が引っ張られています。ただ、軸方向変形は軸たわみに影響しませんので、内輪固定と外輪固定の軸たわみの差の原因にはなりません。軸たわみの差として考えられるのは、両者のモーメントの違いです。表1では、転走面位置上の荷重点の違いによりモーメントに差が生じており、これが軸たわみの差となっていると考えられます。

このように、ROBPACSを用いることで、内輪固定条件でも正しく解析することができます。

なお、上記の例ではボール中心位置で計算したため、図1、図2間で軸受位置(図1では外輪幅中央、図2では内輪幅中央)に違いはありませんが、円すいころ軸受では、内輪幅中心位置と外輪幅中心位置に違いがあり、上記例よりさらに結果に違いが生じる可能性があります。また、円すいころ軸受では、転走面が軸受位置(内輪または外輪の幅中心位置)に対してオフセットしており、この点の考慮も必要ですが、ROBPACSではこれらすべての考慮が可能です。

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