Moyer法によるエッジロードを考慮した円筒ころの転がり疲労寿命計算
NOCPACの解析事例c3ではφ12×12円筒ころの転がり疲労耐久試験結果(表1)とNOCPAC寿命計算結果を比較しましたが、ここでは、この試験結果とMoyer法によるROBPACS寿命計算結果との比較を行います。

表1 φ12×12円筒ころの転がり疲労耐久試験結果(*)

(*)Sugiura, I., Itoh, S., Tsushima, N., and Muro, H., Investigation of Optimum
Crowning in Line Contact Cylinder to Cylinder Type Rolling Contact Fatigue
Test Rig, Rolling Contact Fatigue Testing of Bearing Steels, STP771, Ed.,
J. J. C. Hoo, p.136-149, ASTM, 1982.
または、Itoh, S., and Sugiura, I., Investigation of Optimum Crowning in Line Contact Cylinder to Cylinder Type Rolling Contact Fatigue Test Rig, NTN Technical Review, No.48 (1982), pp.18-26.
事例c3ではサンプルV1についてのROBPACS解析結果を記載しましたが、このときと同様の仮定【φ12の転走面(溝径)を有する内輪とφ12転動体の軸受(PCD=24)として内輪寿命を算出】を用いて計算します。事例c3でも記述しましたが、上記実験は軸受としての実験ではありませんので、ROBPACSで解析するには無理がありますが、クラウニングによって変化するエッジロードの大きさを考慮して転がり疲労寿命計算を行うことの妥当性検証には利用できると考えます。
なお、ROBPACSでの計算に際しては、上記PCD24mmの軸受2個をそれぞれ軸の両端に配置して、軸に作用するラジアル荷重を表1の値の2倍とし、軸は剛体となるようにヤング率を1010(MPa)として計算しました。なお、ROBPACS計算では、転動体個数を1個として計算し、上記のように内輪寿命を用いて比較を行います。
<解析結果>
表1の各サンプルに対するROBPACSによる内輪寿命計算結果を図1に掲載します。NOCPAC計算結果も併記します。

図1 表1の実験結果に対応するMoyer法によるROBPACS寿命計算結果
ROBPACSの寿命計算結果は、NOCPACの寿命計算結果と比べて、実験結果との整合性は若干劣りますが、概ね実験結果を捉えており、実用上問題ないと言えます。
なお、Moyer法によるエッジロード値は、ころ分割数によって変動するため、寿命計算結果もころ分割数によって変動するという点に注意が必要です。
(注)
Ver.2.3からEPCスライス法によるエッジロードを考慮した軸受寿命計算も可能になりました。
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