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解析事例−c1EXAMPLE-c1

球と球の接触(ヘルツ接触理論との接触面圧・表面下応力比較)

本例では、半径10mmの球と半径30mmの球の接触問題であり、半径10mmの球に1000Nの負荷を加えたときの、最大面圧、接触楕円形状、表面下応力(τyz)について、ヘルツ接触理論の計算値と比較します

   

図1 R10の球(物体1)とR30の球(物体2)と基準面(4×4)


NOCPACでは、接触面圧を計算する際に、「基準面」(図1)の中の任意の矩形領域に対して、メッシュ切りを行い、このメッシュ上で接触面圧計算を行います。今回は急激な接触面圧増加が予想されないので、均等なメッシュ分割を行います。0.8×0.8mmの正方形領域を40分割し、幅0.02×0.02mmのメッシュを作成しました。従って、要素数は40×40(ノード数は41×41)のメッシュとなります。
但し、実際には4mm×4mmの矩形領域を20×20分割し、接触中心であるx=2mm,y=0mm位置の両側の±0.4mm範囲(x座標:1.6〜2.4mm、y座標:-0.4mm〜0.4mmの範囲)を0.02mmメッシュで細分割したため、57×57メッシュで計算しています)

面圧メッシュの他に、応力を計算する際のメッシュも指定しなければなりません。メッシュは、x方向、y方向、z方向とも、0.01mmの等間隔で作成しました。メッシュ範囲の値は省略しますが、最大の剪断応力値が得られるように、範囲を設定します。


<解析結果>

(1)接触面圧
NOCPACによる接触面圧解析結果の3Dグラフを以下に掲載します。(等間隔メッシュであるため、EXCELの3Dグラフで作成しています)

図2 接触面圧計算結果

図から、接触面圧値が小さい領域ではギザギザになっているのがわかります。これは、面圧メッシュが粗いことに起因していますが、ギザギザな部分の接触面圧値は小さいので、これくらいのメッシュでも、ピーク面圧や表面下応力は、それほど影響せず、かなりの精度で計算できると考えます。

次に、上記の結果とヘルツの接触理論による計算結果との比較を表1に示します。

なお、ヘルツ接触理論は鋼対鋼の接触を前提として、接近量δ、最大接触面圧Pmax、接触楕円長さ半径a、を次式で計算しています。単位は工学単位系(kgf, mm)です。



     表1 ヘルツ接触理論との面圧比較結果
     


表1より、各項目とも、ヘルツ接触理論による値とほぼ同じ結果が得られています。

(2)表面下応力(τyz
表面下剪断応力τyzの理論値計算にはLundberg-Palmgrenの理論(以下LPと略します)を使用します。
(a) τ0
τyz分布における最大値τ0は次式で表されます。(qは最大接触面圧)


tは接触楕円の形状により変化し、数表または数値計算による算出が必要になりますが、本例のように接触楕円形状が円(b/a=1)の場合、数表からt=1.2808と読み取ることができ、従って、T=0.2139となります。

(b)z0
τ0が発生する深さz0は、次式で表されます。(bは接触楕円短軸長さ半径)


上記のt=1.2808に対応する ζ の値は、ζ=0.350855です。

(c)y0
τ0が発生するy方向位置y0は次式で表されます。なお、x方向の位置は接触楕円の中央部になります。(bは接触楕円短軸長さ半径)


上記のt=1.2808に対応する η の値は η=0.84807です。

(d)理論値とNOCPAC計算値の比較
上記LP理論式による計算値とNOCPACによる計算値を表2に示します。

(注)表中の「最大τyz(τ0)」は、転がり疲労寿命計算に使用する最大応力振幅を与えるτyzであり、τyzの最大値です。一方、通常使用する「最大剪断応力」は、主応力が働く主面と45°の傾きをなす面に作用している剪断応力です。

   表2 Lundberg-Palmgren理論との応力値比較
   

NOCPAC計算値はLP理論式とほぼ一致していることがわかります。


以上より、接触面圧、表面下応力とも、NOCPAC計算結果が妥当であることが確認できました。

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