予圧バネ+BRG+剛体軸の振動解析

図1 予圧バネを有する軸と軸受の系
本事例では、予圧バネを有する軸と軸受の系における振動問題を取り扱います。事例v4同様、軸剛性を非常に大きくして(軸のヤング率=1010N/mm2)剛体化し、軸受弾性と予圧バネ弾性により、どのような振動が発生するかを調査します。
加振は、軸中央部をアキシャル方向に加振するものとし、振動解析で使用する軸受剛性値は、静解析で得られた剛性値を使用します。バネの剛性は100 N/mmです。
軸は事例v4と同様、直径40mm×長さ250mmのもので、比重を7.86とすると質量は 2.47 kgです。
<解析結果>
ROBPACSで得られた加振点の振動応答結果グラフを、そのまま図2に示します。

図2 予圧バネを有する軸系の応答
共振点は596Hzでした。振動モードは図3のように、わずかにラジアル変位がありますが、主体はアキシャル方向平行変位モードでした。

図3 596Hzの振動モード
この問題に対する理論値の検討結果は事例v5とほぼ同じで、図4のように(予圧バネ+左側軸受アキシャルバネ)と(右側軸受アキシャルバネ)の、バネ・マス系振動と考えられます。

図4 弾性ハウジングと軸受のバネ
軸受のアキシャル剛性は左右とも34718 N/mmでした。左側は予圧バネとの直列バネであり、予圧バネのバネ定数100N/mmと合成すると99.7N/mmになります。従って、軸は、左側が99.7N/mm、右側が34718N/mmのバネで支持されることになります。左右のバネを合成すると34817.7N/mmのバネになり、次式で固有振動数を求めると597.5Hzになります。この値は、上記596Hzとほぼ一致します。

k:バネ定数(N/mm)
m:質量(kg)
次に、同じ予圧量を定位置予圧で与えた結果を図5に掲載します。

図5 定位置予圧時の系の応答
共振点は843Hzであり、予圧バネを使用したときより、共振点がアップしています。
このときの固有振動数理論値は、図4の理論値計算を予圧バネがないとして計算することで、固有振動数が844Hzと計算され、妥当性が検証できます。(なお、定位置予圧時の軸受のアキシャル剛性は34746.8N/mmとなっており、バネ予圧と比べてわすかに変化しています。これは誘起力の存在により、予圧バネと全く同じ軸受荷重を設定できないことによるものです)
予圧バネを使用した場合(図4)の左側バネの合成バネ定数は99.7N/mmと、予圧バネ100N/mmとほぼ同じ値になってしまい、剛性が低下してしまうため、共振点はほぼ右側軸受の剛性だけで決定されてしまいましたが、定位置予圧の場合(図5)は、左右の軸受剛性が同じであるため、全体剛性が2倍になり、共振点がアップするというメカニズムになります。
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