事例s4の振動解析(ポケットベアリングがついた系を加振したときの応答)
事例s4では、下図のような、ポケットベアリングにより連結されている2軸の系に外力(ラジアル荷重1000N)が負荷されたときの、ポケットベアリングのクラウニング量について検討しました。ここでは、この静荷重状態において、荷重点を単位ラジアル加振荷重(1N)したときの系の応答を求めます。

図1 ポケットベアリングにより連結された2軸の系

<解析結果>
(1)バネにより連結された2軸の系の応答
事例9と同様、支持点の剛性を大きくするため、外部ファイルにて支持点の剛性を定義します。ラジアル方向、アキシャル方向剛性の値として、1E30(N/mm)を設定しました(参考:1E20では剛性不足でした)。次に、ポケットベアリングに該当する連結バネのラジアル剛性として、3種類を考え、同様に外部ファイルにて定義します。剛性値としては、@非常に小さな値、A非常に大きな値、B中間的な値の3種類について解析します。解を得るためにはアキシャル剛性の値も必要であるため、ラジアル剛性値と同じ値を設定しました。(対角項だけの入力であるため、アキシャル振動は発生しません)
減衰は作用しないものとしました。
(1−a) 連結バネの剛性が小さいとき
まず、連結バネの剛性値として、非常に小さな値、1E-20(N/mm)を用いたときの振動応答結果を図3に示します。

図3 連結バネの剛性が小さいときの加振点の応答
図3の共振点である318Hzと3951Hzのときの振動モードを図4に示します。

図4 共振点の振動モード(連結バネ剛性小)
図4より、318Hz, 3951Hzとも、軸1が振動しており、軸2は、ほぼ静止したままであり、連結バネの剛性が低いときは、振動が軸2へは、ほとんど伝達されていないことがわかります。これは連結バネの剛性が小さすぎてバネ荷重が発生しないため、当然の結果であると考えられます。
(1−b) 連結バネの剛性が非常に大きいとき
次に、連結バネの剛性値として、非常に大きい値1E20(N/mm)を用いたときの振動応答結果を図5に示します。

図5 連結バネの剛性が小さいときの加振点の応答
図5の共振点である3778Hzと5941Hzのときの振動モードを図6に示します。

図6 共振点の振動モード(連結バネ剛性大)
この場合も、軸2は、ほぼ静止状態であり、振動はほとんど伝達されていません。図4と異なるのは、連結バネ位置での変位がほとんど生じていないことです。連結バネ位置での変位が生じないメカニズムとしては、例えば、軸が非常に柔らかいゴムであり、連結バネが木や鉄の棒のとき、ゴムの一部を加振しても、連結バネ部が変位しないで軸だけが振動する状況が想像できると思いますが、これと同じ現象が生じていると思われます。。
また、図6では、図4と異なり、連結バネ位置の変位は、軸1と軸2でほぼ同じになります(変位量は非常に小さいです)。
(1−c) 連結バネの剛性が中程度のとき
次に、連結バネの剛性値が中ぐらいのとき1E5(N/mm)のときの振動応答結果を図7に示します。

図7 連結バネの剛性が中程度のときの加振点の応答
図7の共振点である531Hzと1400Hzのときの振動モードを図8に示します。

図8 共振点の振動モード(連結バネ剛性中)
図8では、上記2例とは異なり、軸2が軸1と同程度変位していることがわかります。これは連結バネの剛性1E5という値が、軸の曲げ剛性に比較的近いために、振動が伝達され、第2軸が振動するようになったと考えられます。
以上のように、連結バネの剛性値が特に重要であることがわかります。
次に、上記結果を踏まえて実際の軸受剛性を使用して行いました。 --> 解析事例v2の続きへ
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